私は手ぶくろが昔から嫌いだ。
偶然かもしれないが
手ぶくろを付けたり
近くにあったりすると
ロクなことがない。
財布を無くしたり
3回連続で転けたり
家を出た瞬間雨が降ってきたり。
ある日、
横断歩道を渡っている時
ふと白線の横を見ると
手ぶくろが落ちていた。
あ、マズイ。と
思うまもなく
トラックが私を跳ね飛ばす。
両手脚骨折。
それだけで済んだのが奇跡とでも言おうか。
入院生活は慣れなかった。
病院の匂い、人の話し声、
薬の効果が切れて泣いてる人の叫び声、
味の薄い食事、消灯時間が21時。
とにかく全てが気になった。
毎日毎日
こんなところで寝ているだけなど
頭がおかしくなってしまう。
変なところで骨が折れてしまったので
軽い手術をしたのだが
失敗され、
一生両手脚がこのままかもしれないと言われた。
ふざけるなと思った。
そして昨夜
焼けるような痛みで眠れなかった。
"Good Midnight!"
死期が迫ってくるのを感じた今日。
苦手な従兄弟が
手ぶくろをお見舞いで持ってきた。
私は昔から手ぶくろが嫌いだった。
やっぱり手ぶくろは嫌いだ。
12/27/2024, 6:05:39 PM