自分はどちらかといえば冷めている性格で。
友人達からの評価も大きく離れてはいない。それなのに。
「後ろ姿の写真撮ってもらっていい?」
映えるやつ、と君は笑ってスマホを差し出す。
そんなこと気にする性格だったんだ、と返事しながら、僕はそれを受けとる。
花畑の前に立った君に、僕はカメラを君に合わせる。当然のことながら顔は見えない。
その一瞬。
あぁ、君の顔が見たいなんて。そんなこと。
僕はいつからこんなこと思うようになったのか。
自分の考えに自分で驚く。
いつの間にか僕のもとへ戻ってきた君が「美人に撮ってくれた?」と笑う。
「どうかな」なんて言って。
さっきの自分の頭の中の言葉は、絶対に言ってやらないと、勝手に決めた。
9/17/2023, 1:50:29 PM