SHADOW (めちゃくちゃ不定期)

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いかないで

僕は今彼女を見ています。
彼女は僕の婚約者でした。
将来は確実に僕と結婚すると言うぐらい、僕たちは愛し合っていました。
そんな彼女は今涙を流している。
僕は、そんな彼女の頭すら撫でられない。
むしろ触れられないと、言った方が正しい。

-数年前-
「ねぇ、将来は絶対__君と結婚するんだ。」
彼女は僕に言った。
僕は彼女が好きな、青紫色の桔梗の花束を渡した。
彼女は嬉しそうに花束を受け取った。
「嬉しい....。絶対大切にする。」
彼女はやっぱり、青紫色の桔梗が似合う。
「僕も将来はやっぱり貴方と結婚したいです。」

《本当に....
幸せな時間は長く続かないものなんですね》

-数年後-
僕は現代の医療では難しいと言われている病気になってしまいました。
しかもその病気は何も感じので、かなり進行していたみたいです。
僕は雷に打たれたような気持ちになりました。
まず彼女にどう伝えようか
家族にどう言えばいいのか
義両親にも
そのような思考がグルグルと頭の中で渦を巻いていました。
僕は彼女、家族、義両親に、主治医に言われた事を正直に言いました。
彼女は泣き崩れ、家族は絶望した顔をし、義両親は顔を真っ赤に染めていました。
お義父さんは僕の顔に一発平手打ちをしました。
僕と彼女と家族は何が起きたか一瞬分かりませんでした。お義父さんは僕に言いました。
「お前はそんな奴だったのか!自分の体の異常に気づかんとは!娘も大切だが、お前も大切な息子なんだ!」
お義父さんのその一言で涙が出ました。
こんな僕でも、出来損ないの僕でも認めてくれる人がいる事が嬉しかったです。

その後は正直覚えていません。

覚えている事は、毎日彼女が来てくれたり、家族・義両親が来てくれました。
ですが、僕の病気の進行が早いのか、僕は日に日に痩せていきました。
他にも髪が抜けたり、血を吐いたり等がありました。
僕は最後の日彼女と少し話をしました。
「ごめんなさい....。こんな人で....。君は僕の事を忘れて、他の人と幸せな人生を送ってほしい....。」
彼女は嫌だ!なんて言っていました。
彼女は暫く黙っていたが、消え入るような声で言った。「....来世では絶対....一緒がいい....。」
僕は嬉しさに涙が出た。「勿論....です....。」
僕と彼女は指切りをした後に、僕は息を引き取りました。
僕は意識が遠のく中でこんな声が聞こえたような気がしました。

「私を置いていかないで」







青紫色の桔梗の花言葉
《永遠の愛》・《変わらぬ愛》

10/24/2023, 11:15:23 AM