koyagi

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さて、俺ら、どうするかな。
廊下には「鬼殺せんせー」と呼ばれるクソ怖い先生。
見張ってやがる。
季節は夏真っ只中。そして青春の真っ只中でもある。
高校1回きりの修学旅行中なのだから。
それなりに楽しい高校生活だけど、
やっぱり校則とか決まりは存在する。
それは修学旅行中でも同じ。
所持金額、門限、就寝時間。
そんなん破る為だけにある。
俺達が黙って過ごすと思う方がどうかしてる。
まぁ、だからそんな俺達を見越して、
あそこに先生がいるんだろうけどさ。
通知を切ったスマホで時間を確認する。
時刻は1時12分。
もちろん深夜の方。
作戦会議の為、後ろを静かに振り返った。
「……どうする?笑」
「あいつらの部屋って階段しか行けないんだっけ」
「エレベーターは音でバレるだろ」
「流石にずっとはいないんじゃね?センコー」
「交代してずっと見張ってるらしいよ」
「詰みじゃん」「どーすんの」「まじかー」
「ここで終わってたまるかよ俺らの青春っ……!」
「お前は騒ぎたいだけだろーが」「バレた?」
「ちょっ、お前らうるさい」
そこで俺はスマホ操作する。
ニヤニヤが止まらない。
「強い味方を召喚します」
俺のスマホには、「ゆうと」と表示されている。
意味がわからず皆はきょとんとした。
「ごめん誰?」「お前BLの趣味なんかあった?」
すかさずボケたりしてくる友達。
ちょっと呆れながらも説明する。
「さっき仲良くなった他校の奴」
「まだ起きてるってさ」
急に察しの良い友達。
「つまり……協力者!?」「おぉー!」
期待の視線を浴びながら、心強い味方に電話をかけた。

10/15/2024, 11:57:12 AM