昼過ぎに起床した朝和は、起きるとすぐに隣町の映画館に向かった。映画マニアにはよく知られている北欧の映画監督の作品が上映されるのだ。駅までは歩いて3分、電車到着まで4分。電車に間に合うよう少し走った。電車到着と同時に駅に着き、電車に乗ると思いの外中は混んでいた。遠足に行く小学生が乗っていたのだ。車窓から物憂げな空が見えた。今日の運勢を物語っているような空だった。
映画は想像以上によく出来ていた。ハリウッド映画を思わせるような派手さはなく、昔の日本映画を思わせるようなしんみりした作品。朝和はそんな作品が好きなのだ。
映画館内の喫茶室で1時間半余韻に浸った。時計を見るとすでに4時。映画の中から現実に引き戻される。
映画館を出て商店街に向かった。朝和は商店街を好んだ。あの活気が自分に力を与えてくれる気がする。
夕間暮れの商店街はいつものように活気があった。
2/25/2024, 11:52:13 PM