渋柿

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あの夢の続きを(小話)



青年
「先生、もう生きるのが辛いんです。最初はすべてが上手くいっていたんです。でも途中から、それだけじゃ満足出来なくなって、全部欲しくなって、そうしたら何もうまくいかなくなって、先が怖くなって絶望してます。いっそすべてが思い通りになればいいのに。」


医師「それなら、いいものがありますよ。」



青年 「これが好きな夢が見れる麻酔ですか?」

医師「そうです。今あなたが望んでいることを夢の中で叶えることができます。」

青年 「 目覚めるのはいつになりますか。」

医師「あなたがそれを夢だと気がついた時に目が覚めます。」

青年 「 それでは、気が付かなかったら永遠に目覚めないということでしょうか。」

医師「はい。ですが、あなたはこんな現実に嫌気が差したからここに来たわけですよね。夢の中では、今のあなたがしたいことが何でも叶います。ならいっそ、永遠に目覚めないほうが幸せなのではないでしょうか。」

青年「確かにその通りかもしれません。もうこんな世界は嫌なんだ。いっそ永遠に夢の中で幸せに暮らしたいです。その麻酔使わせてください。」

医師「よろしい。それでは…おやすみなさい。」





















青年「先生、もう生きるのが辛いんです。」




1/13/2025, 9:39:27 AM