「ガラガラと崩れた
分厚い境目を
踏み越えて
抱き合った人々がいました。
わかれわかれになった
生き方が
もう一度出会うなど
夢にも思わなかったのです
しかし それは
とうとう現実になったのです」
先生は
そんな話をしながら
隕石のかけらのような
ゴツゴツしたものを
教卓にあげました。
「これは星のかけらでも
石炭のかけらでもありません
歴史のかけらです。
これは 砕かれた壁の一部です。
みんなの夢のかけらです」
わたし達は
教科書をめくる手を止めました。
ざわついていた教室はしいんとなって、
全員が "夢のかけら"をしげしげと眺めました。
夢のかけら が
どんな風に旅をして
わたし達の国に たどり着いたのか
どんな人が
夢のかけらを 持ち出したのか
みんなみんな
気になって仕方がないのです。
わたし達は 先生が話はじめるのを
待っていました。
先生は夢のかけらを手に持って、
教室をぐるりと見回しました。
「時間を行き来することは
タイムトラベラーだけの仕事では
ありません。
君たちが 歴史を学ぶことも
タイムトラベルに繋がります」
先生がそう言い終わらない内に
教室の後ろ側から
銃を構えた人々が押し入ってきて
わたし達をどなりつけました。
「いいか
西の連中の話はするな。
事実に基づいた勉強だけが
お前達を豊かにする!」
わたし達は俯いて
スカーフの淵に
顔を押し付けました。
涙さえも ごまかさないと
ここでは生きていけないのです。
-こんな夢を見た
-タイムマシン
1/23/2026, 11:37:37 AM