やさか

Open App

 星が落ちた、と君が言う。
 遠い遠い場所で、白い星が落ちたのだと。
 それは、わたしには見えない。
 白という色のこと、夜空という暗さのこと、星という光のこと。
 わたしの知らないものたちを、君が言葉にする。
 白。昼間の白はあたたかく、星の白は、少し冷たい。
 夜空。風のようにすうっとして、どこか寂しい。
 星。乾いた砂の粒に似て小さく、針先のように鋭い。
 君は、いつかわたしを連れて行ってくれると言う。
 わたしのこの眼では感じられないものを、手に取れる場所へ。
 いつか。いつかの未来に。


 #遠くの空へ

4/12/2023, 4:31:18 PM