あおい

Open App

幸福世界

「ごめんなさい」
丸いビー玉のような瞳から雫が落ちて頬を伝う。
まるで泣いてるようだときみが笑った。

僕だけを写したガラス玉が音を立てて砕けて、
宝物は粉々になって散ってしまった。

2度と手に入らない宝物は誰のためにあったのだろう。

「許してなんて言わないよ、」
雨は今日も降り続けたまま、
きみを覆い隠して連れ去ってしまう。


【柔らかい雨】

11/6/2023, 1:40:51 PM