初めて出会った瞬間からずっと追ってきた君の背中
豆粒みたいだった君も、今では僕と同じぐらいの大きさになった
あと一歩でも歩を進めたら触れられる。
ずっと追いつくことを願っていたはずなのに
このために努力してきたのに
その一歩が数千歩のように感じた
いや_
感じたかった。
1度憧れた人の背中は
追いついてしまったら消えてしまいそうで
指一本だけで儚く散ってしまいそうで
どうしても怖かった。
夢を前にしても体が動かないほど
その思いは強く
自分の愚かさと共に
人間という生物の不条理さを感じた。
人という生き物は
憧れに触れられない生き物なのかもしれない。
触れることを目標にして長年頑張ったとしても
数分でそれを無駄にしてしまう。
おかしな話だが、実に人間らしい
なぁ、憧れの君。
お願いだからいつまでも
僕を人間で居させてくれ。
No.6
君の背中
2/9/2025, 12:35:47 PM