──なお、二人とも寝不足である。
「ねえ、サラマンダーは水浴びをすることがあるって聞いたことあるかしら」
「昔、図鑑で読んだような気がします。火を吹いた後、上がりすぎた体温を下げるために川や海に浸かるんですよね」
「そうよ、流石の知識量ねぇ。私、実際に見たことあるのよ」
「火山にでも住んでたんですか……? サラマンダーの生息域はこの辺りではないですけれど」
「違うわよ、はぐれサラマンダーよ」
「あ、なるほど」
「それでね、あいつらって尻尾に火がついてるでしょう」
「ええ」
「そこが水に浸かるのが嫌なのか、尻尾だけ上げて水の中にしゃがみ込む感じで水浴びするのよ。それがなんだかクロコダイルみたいで可愛くて」
「かわいい、ですか」
「おいしそうとも言うわね」
「食べ……?」
「意外といけるわよ、ワニ肉。今度食べさせてあげるわ」
「どんな味なんですか?」
「鶏肉みたいでさっぱりしてるわね」
「じゃあ唐揚げにでもして……」
「あなた、結構食い意地張ってるわよねぇ……」
(とりとめもない話)
12/17/2024, 12:52:59 PM