わたあめ

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 布団の中で懐中電灯の灯りを頼りに夢中になって読んだ。夜中に起きていると「早く寝なさい」と両親に怒られるから。続きが気になって、ページをめくる手が止まらない。
 「後1章だけ」「ここまで読んだら寝よう」幾度となく破られる自分との約束。
 「明日の朝、起きられなくなるな」「授業中眠くなっちゃわないかな」心のどこかでちりりとなる警報音を無視して読み進めた幼い日の私。

 「お風呂に入って寝なさい」と言う母の声も届かず、活字に溺れる娘。

 仕方ないね。『ハリー・ポッター』だもん。
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お題:暗がりの中で

10/28/2024, 11:06:52 AM