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Side: 僕
僕は立っている
誰にも見られることもせず
ただ、立ち尽くしている

常に誰かに見られていたあの時は、
誰の目にも写らない日を夢見ていた

君の隣に立ち続けるために努力していたから
少し苦しかった

まさか、
そんな日がくることも、
そんな日々が繰り返されることも知らずに

僕に残されたのは虚しさだった
ただ、愛しい君を待つだけの空っぽな日々

大切にしているつもりだった
僕なりに、大切にしていた
でも、彼女から見えば大切にされていなかったようだ
今度こそ、大切にしたいから

僕は待つ
彼女と別れたこの場所で
後悔を残したこの場所で

彼女は僕を見ることができるかわからないけど
僕はずっと待ち続ける



Side: 彼女
「しかたないだろ。忙しいんだから。待たせたのは悪かったけど、何度も持ち出してくんなよ」
16日前、彼に言われた言葉は一言一句違わず頭のなかで繰り返される

彼が忙しいのは聞いていた
社内で話題のプロジェクトのメンバーに抜擢されたから
報告を受けたときは私も一緒になって喜んだ
彼が期待されているとか、
彼の仕事が認められたとか、
そういうのじゃなくて、彼が嬉しそうだったから

プロジェクトが始まってから、
彼からの連絡も、会う日も、目に見える形で減った

寂しかった

置いていかれたような心細さ
彼の目に私が写っているのかわからない不安さ

1ヶ月ぶりの約束
やっと、会える!
数時間でも、顔を見れることが、触れられることが楽しみだった
なのに、彼は1時間も遅刻した

だから、ずっとイライラしてた
わかってる
素直になったほうがいい
楽しんだほうがいい
でも、一度覚えた不安はそう簡単には消えてくれない

「もうむり」

泣いてることがバレないうちに、立ち去った
…どんな顔をしていたのかな

翌日、
ごめんなさい、とだけメッセージをいれた
今もまだ返ってこない

約束の翌週から、彼と歩いたこの場所に立ち寄るようになった
会えるかもしれない、小さな小さな期待を胸に
今日もまた、この場所をゆっくりと歩く

2/12/2026, 12:00:23 AM