プレゼント
初めてのプレゼントは赤いバラ一本をブルーの細い花瓶と共に。
毎年誕生日にプレゼントしてくれた
時計、ブレスレット、ネックレス。
ある日時計を渡すと帰ってしまった。寂しさだけが残った。
私は言った。もう何も要らない。
あなたと一緒にいたいだけ。
もう心は離れてしまった。
私はさよならの言葉をプレゼントした。
ある日胸騒ぎがした。
なぜか早く早く見てみてと、何かに急かされたように新聞の死亡広告を広げる私。あの人の名前がそこにあった。
そして私は気付いた。
誕生日おめでとうのメールがあった事。それは亡くなる数日前。
彼の最後のプレゼント。
未来がわかっていたら、どうしただろう。私に何が出来ただろう。
彼の墓に花一輪を贈るしかすべがなかった。思い残すことがないように、後悔しないように、今を大切に生きる事を私にプレゼントしてくれたんだよね
12/23/2024, 11:40:05 AM