うどん巫女

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視線の先には(2023.7.19)

最近、幼馴染のカオルの様子が、なんだかヘンだ。
いや、別に普段から完璧な優等生というわけでは全くないし、怪我とか病気とかそういう類ではないと思うけれど、何か後ろめたそうな態度をとるのだ。
「ねぇ、カオル、聞いてる?」
「…お、おう。なんだよ?」
今だってそうだ。いつもだったら馬鹿みたいに元気そうなくせして、今はなんとなく気まずげな様子だから、余計気になる。私がじっと見つめると、必ずふいっと視線を逸らすのだ。これは、何か隠しているに違いない。
ふと、カオルの逸らした視線の先を見てみると、合点がいった。クラス一の美少女、花山さんだ。なるほど、カオルは私に意中の女の子を知られたくなかったというわけか。
納得がいった私は、生暖かい笑みを浮かべて、
「ま、頑張れよっ!」
と言って、カオルの背中を軽くたたいた。
カオルはなんだか困惑したような顔をして、大きくため息をついたけれど、そんなに知られたくなかったなら、もっと隠す努力をするべきだ。なにせ、幼馴染様には全てお見通しなのだから。

*****

最近、幼馴染のサキの様子がなんだかおかしい。
いや、別にアイツは昔からそそっかしいやつだし、そんなところもかわい…いや、そんなことはどうでもいいのだが、なぜだかときどき俺の方を見ると、にんまりと笑ってサムズアップするようになったのだ。全く意味がわからない。こっちは、そんな笑顔を真正面から見てしまって胸の高鳴りを抑えるのに四苦八苦しているというのに。
全く、幼馴染様は理解不能だ。

7/20/2023, 7:49:38 AM