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『ルール』

空想して遊ぼうとすると、思い付く風景というのが
四方地平線まで草しかない草原に、彼方へ続く細い一本道があり、その傍らに、私は倒れている。

カバンを所持していたので、どういう状況か分かるかと開けて中を見ると、簡単な地図があり、この先道を進むと、小屋があるらしい。

そこへ行くとどうなるのか不明だが、ここでこうしていても始まらない、草しか無いから。

私が空想しているんだし、私が次の展開を考えればいいのだが、考えているというより、既にあるはずの展開を眺めている感覚なので、何も思い付かなければ、そこで止まる。

一本道を歩いて行くと、道の側に長細い小屋が見えてきた。近寄って見ると田舎の木造の駅の待合室のような建物だ。中に入る。誰もいない。殺風景な部屋。椅子に座る。

そこで、また止まる。

それでも次の展開を考える気にはなれない。どこかの別世界で実際に起こっていることなのだが、どうも時間の感覚がこちらと違うので、先に進むのが遅いだけなのだ。

たぶん、死後に私が行く世界なんだと思う。予告編なり、事前説明だと思う。あるいは、早めに始まっている。

それで、ここで何をどうすればいいのか、相変わらず分からない。

4/24/2023, 2:00:46 PM