イオリ

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カラフル

 散歩していると、花壇にチューリップが咲いているのを見かけることがある。大抵は数本咲いている。朝日を浴びた花びらが自分の生命力を輝かせる様子を見ると、心も晴れる。

 特に赤のチューリップは鮮やかだ。他の色よりも誘引性が強いのだろう。自然と目が惹かれる。

 ところが、残念、とまでは言わないが、赤のそばで似たような赤系のチューリップが並んでいると、その鮮やかさが弱まっているように見える。逆に白や紫が隣だと、鮮やかさが自乗して広がっているように思える。

 カラフルの条件は、似ていない色が並ぶこと、なのかもしれない。十人十色という言葉があるがこれもやはり、同じような、ではなく、別々の、という部分が肝要な言葉なのだろう。

 とは言え、チューリップの色、こればかりは致し方ない。球根を植えた段階では、何色が咲くのかわからないはず。赤の隣に赤、黄色の隣に黄色、そんなこともある。運次第。まあ、それも楽しみとするべきか。

 そういえば、純粋な青のチューリップはない、と聞いたことがある。青っぽく見せたものはあるらしいが。確か薔薇もそうだった気がする。

 神様はどうしてこういうことをされたのだろうか。もし解明できれば、僕たちの持つカラフルの概念が、もうひと段階広がるかもしれない。

 

 
 

5/1/2024, 10:42:58 PM