2025/06/14
お題:君だけのメロディ
エレキギターを手に、今しがた思いついたメロディを形にしていく。
最後まで弾き終えたところで、僕はヘッドホンをつけて音を確認する。今日はいつもと違って、少し落ち着いた感じの曲に挑戦しているのだ。
……そうして旋律を聴き終え、僕は確かな手応えを感じた。――手前味噌ながら、今回のメロディーは凄く良いものだったのだ。
僕が思うに、メロディというのはいわばガチャのようなものだ。良いメロディが引けるときもあれば、普通のメロディしか引けないときもある。――僕も最近、良いメロディが中々浮かばずに困っていたのだが、ここにきて大当たりが引けるとは。本当に分からないものだ。
半ば興奮した状態のまま、僕はメッセージアプリを開き、今録った音源を作曲仲間の友達に共有する。既読はすぐにつき、二分ほど経った後、返信がきた。
――『いつもと違う感じで凄く良いし、正直驚いた。僕も今さっきメロディ思いついたから、聴いてくれると嬉しい。』
どうやら、相手も同じように感じてくれたらしい。共感を得られたことに満足しつつ、相手から送られてきた音源を開く。聴き始めて数秒後、僕は目を見開いた。
それはもう、とにかく素晴らしいものだった。曲調は落ち着いたバラード。優しく寄り添うようで叙情的なメロディに、心が和らいでいく。一度聴いただけで、僕の脳裏に深く刻み込まれていくのを感じた。
「凄すぎるよ、もう……。」
あっという間に聴き終わってしまい、僕は感嘆のため息を漏らす。
僕にとって君は作曲仲間でもあり、なかなか超えることのできないライバルでもある。
そのことを改めて自覚させられた僕は、未だ興奮冷めやらぬまま、ベッドで一人うなだれるのであった。
――でも、仕方ない。
君の作るメロディは君にしか生み出せないし、僕の作るメロディだって、僕以外には生み出せないものなのだから。
6/14/2025, 9:50:59 AM