降り積もる想い(TOV)注:腐向け
きっかけは覚えていない。
けれど、それは着実に嵩を増している。
ああ、好きだなぁと思う、その想い。
ザーフィアス城の牢屋で会った時、もうすでにちょっと好きではあったと思う。壁越しの気持ちの良いやりとりと、長髪の似合う、男らしい見た目と。
そうでなければ鍵など渡すものか。
世界を旅する彼を追った。
自分の意思ではなく、任務だったけれど。
仲間を増やし、行く先々で問題を起こし、解決して行く様を見た。
仲間への真剣な想いを感じるたび、彼の新しい顔を知るたびに、いいな、と思った。
エステルを叱る時の、まるで兄のような包容力。
かと思えば、自身の世間知らずを自覚して、カロルを頼る時の素直さ。
幼馴染であるフレンと通じ合っていて、阿吽の呼吸を見せる時の無敵感。
ジュディスと共闘する時の戦闘狂っぷり。
ラピードとの心の通った連携と会話と信頼。
リタへのさりげない気遣い。
グイグイ来るパティへのあしらい上手。
そして、自分、レイヴン相手の心地よい会話のキャッチボール。
こんな胡散臭いおっさんなのに、少しづつ信頼してくれているのを感じる。
心配して声もかけてくれる。
男前。
それなのに、好物は甘いもので、クレープを食べる時は年相応の笑顔を見せる。
そして何より、自身で選択し、それに責任を持つ強さ。
闇深い行為にも決意と覚悟が見えて。
眩しくて、
可愛くて、
格好良くて。
良いなぁ。
良いなぁ。
好きだなぁ。
人はこれを恋という。
知ってはいるけれど、認めたくなくて足掻いてみたけれど、ドンにも「惚れたな」と指摘される始末。
あの時は慌てて否定したけれど、それから自覚して、静かに気持ちを降り積もらせている。
まことに乙女極まりないが、決して報われない、報われてはいけない片恋というやつだ。
誰にも迷惑をかけないので、想うことだけ、許して欲しい。
12/21/2025, 12:08:50 PM