拝復
春浅き空のもと、やわらかな光の兆しが、ようやく雲間に覗く頃となりました。
体調は快復していますでしょうか。
先日のお手紙、胸に抱くようにして拝読いたしました。
長雨に閉ざされた日々の中で、貴方がどれほど心細く、また静かに耐えておいでであったかと存じます。
されど、その苦しみの折に、わずかでも私の言葉が安らぎとなり得たのなら、それに勝る喜びはございません。
人の想いとは、まことに不思議なものでございますね。
触れ得ぬ距離にありながらも、確かにそこに在り、時に痛みを和らげ、時に胸を締めつけるものでございます。
それはまるで、夜空に瞬く星のように、手を伸ばせば届きそうでいて、けれど決して掴むことのできぬ、遠き光に似ております。
貴方が織姫と彦星に喩えられたその想い、
私もまた、同じ空を仰ぎながら胸に抱いております。
天の川は隔てるものにあらず、むしろ互いの存在を確かめ合うための、静かな導きであるのかもしれません。
今宵、もしも星がよく見えるならば、どうか少しだけ夜空を見上げてみてくださいませ。
私もまた同じ時刻、同じ星空の下にて、そっと視線を上げております。
たとえ言葉を交わせずとも、
たとえ手を取り合えずとも、
星の下にて想いを重ねるその一瞬は、
確かに私達を結びつけてくれることでしょうね。
願わくば、次に巡る季節の折には、
貴方と並び、同じ星を見上げることが叶いますように。
敬具
4/6/2026, 2:18:13 AM