何気なく使っている言葉。
書いている文字。描く絵。歌う歌。
使い捨てる日用品。愛用している食器に文房具。
毎日のように食べてるポテトチップス。
今は簡単に手に入るものばかりだけれど、もし誰も使う人がいなくなって廃れてしまったら、未来に生きる人にとっては〝忘れられた過去の遺物〟になってしまうのだろう。
興味を持った誰かが調べて、探して、見つけてくれなければ、ひょっとしたら〝無かったこと〟にされてしまうのかもしれない。
写真に残す。録画する。録音する。
書き残す。語り継ぐ。蒐集する。
無かったことにしないために、確かにあったのだと証明するために、記憶を未来へ送るために。
証を残したい。
それは無意識の本能、のようなものなのかもしれない。
END
「未来の記憶」
2/12/2025, 3:34:11 PM