題 鐘の音
鐘の音がなる。
切ない気持ちで私は結婚式の2人を見つめた。
幸せそう。そうだよね。あなたたちは出会った時からすぐに惹かれ合ってあっという間にスピード結婚したもんね。
私は、その前からずっと好きだったのに。
その前から、食事とか誘ってたのに。
話せただけで舞い上がってたのに。
何も通じてなかったんだね。
あの子と出会ったあなたの頭の中はあの子の事ばかりで。
話してても上の空。視線はあの子を追ってて、話してても切ないだけだった。
食事はいつもあの子との先約。
あなたがそんなに動く人だって思いもしなかった。
いつもあなたの行動には、言葉には、思考にはあの子がいて・・・たまらなかった。
私の今までの気持ち全てないがしろにされたみたいで。
家に帰ったら涙が止まらなかった。
それなのに追い打ちをかけるように、あなたは結婚してしまった。
私は今、これが現実なのか考えてるよ。
今まで頑張った私は。恋してた私は。
どこへ行けばいいのかな。この抱えきれない気持ちは、どうしたらいいの・・・。
私は笑顔を貼り付けておめでとうと拷問のような言葉を放つ。
ねえ、幸せになってほしくないのに、あなたの笑顔が凄く幸せそうで見たこともなくて。
そんな姿を見られるのが嬉しいとどこかで感じてしまってる。
だから・・・もう少し時間がたったら・・・あなたの幸せを願えるように頑張るから・・・。
今日は、まだ複雑な相反する気持ちを抱いてる私を許してね。
8/5/2024, 12:33:50 PM