ストリートの流れは今日も速かった。
イヤホンをつけてリズム良く歩く人。
重ためのコートのポケットに手を突っ込み、
湯気の立つコーヒーをすすりながら歩く人。
親指と人差し指を広げて、カメラをのぞき込むようにすれば、少しだけ彼らの気持ちが分かるような気がした。
街角から漂う出来たてのアップルパイの香りに
忘れていた空腹を思い出し、レンズを外した。
現実に戻るとやはり周囲は騒がしかった。
それにしても今日は一段と冷える。
いつかはこの景色を窓から見たい、なんて思いながらボロボロの毛布にくるまると、暖炉の炭がパチパチと弾ける音がどこからか聞こえてくるような気がした。
9/25/2024, 11:32:20 AM