今日はなんとかムーンと言われる日らしい。
いつもならふーんと受け流すところだが
なんとなく寝れなくて外の空気を吸うかと
窓をガラリと開ければ満月が夜空を照らしていた。
「…見てもわかんねぇな」
普段から月を見る習慣なく
もちろんいつもと違う月だからと
わざわざ見るはずもなく
そもそもそれを知ったのも天文が好きな
友人から聞いたからだった。
当然違いなどわからない。
ただいつもよりなんとなく明るいか?
なんて思ってると手に持っていた携帯が
明るくなる。
見た?めっちゃ明るい月!
…明るい、まぁ明るいか。
言われてみればっつー感じか。
頬杖をベランダの手すりにつき、
フリックして返信する。
今見てる、まぁ確かにいつもより明るいかもな
そう送れば即座に既読。
そしてドヤァと言わんばかりのスタンプに
フッと笑みが溢れる。
「いつもと違うことしてみんのも悪かねぇか」
月明かりが心を晴らしていく。
暖かな光は太陽でもないのにぽかぽかして
なんとも変な感じ。
あぁ今日はいつもより寝れそうだ。
そう思うとそろそろ寝るわ、おやすみと相手に送るともう一度だけ空を見上げる。
そこには先ほどよりも一際輝いて見える月がいた。
お題【moonlight】
10/5/2025, 2:55:26 PM