NoName

Open App

僕は何も出来ない。
君みたいに、勉強も運動も上手くできなくて、
かといってそれを補えるような優れた才能もなくて、
君が羨ましいよ。

だから…少しだけ頑張ってみる。
できないなりに…これしかできないから。

ちょっと勉強いつもより頑張って見たり、
いつもは苦手な運動も練習してみたり、
才能はどう頑張っても難しいけど…
努力で補える部分もあるって信じたかった。

君みたいなことは出来ないけど、
劣等生の僕だから…人一倍頑張るしかなかった。

頑張ってる瞬間は、少しだけ、いつも涼しい顔の君より
少し自分を誇らしく感じることができて、
優越感を感じれた。


そんなあいつが俺は嫌いだ。
俺より勉強も運動もできなくて、
俺みたいな才能もなくて、

そんなあいつのままでいいんだ。
そう、そのままで。
そうすれば、俺はずっとあいつの上にいられて、
あいつ一人に限らず沢山のやつの上にいられて。
一番で。一番優越感に浸れたんだ。

けど、あいつは、
勉強を頑張り始めた。運動も練習してた。
相変わらず才能は何もないけど。でも、
ミスしても何してもひたむきで、無性にムカつく。

こんな俺が抱くはずの真反対みたいな感情。
劣等感なんて知らなくていいはずなのに。



あとがき…
優越感って劣等感を意識しているからこそ
起きたりすることもあるのかなと思いました。
劣っていても優れていても、
このストーリーの君たちは、そしてあなたは、
かけがえのない存在なのですよ。
なんて、少々図々しく申し訳ありません…。
こんな蛇足まで読んで下さった方も
ストーリーを読んで下さった方も
ありがとうございました。

7/13/2024, 10:38:47 AM