宇賀神

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魔法

「これは幸せの魔法だよ」
「君もいつか本当に幸せにしたい人を見つけて
              魔法をかけてあげてね」

母はいつも僕に優しくしそう語りかけ抱きしめてくれた
母の墓を前にその言葉がフラッシュバックする
結局僕は誰に魔法をかけてやることはできなかった

高校を卒業しぼくはすぐに地元を出て
東京の大学に行った
とにかく家が嫌いだった

暴力を振るう父
いじめてくる同級生
助けてくれない傍観者

でも大学に行ってからは楽しかった
友達もできて、遊んで笑って
でもそんなことをしてるうちに

本当に大事な人を失って
後悔したって遅いじゃないか
「ごめんなさい…」
懺悔するように僕は墓の前で泣き崩れた

母はあの環境にいて壊れた、死因は自殺だという
「もう後悔したくないからさ」
ぼくは空を見た
僕の頭には復讐の二文字しかなかった

2/24/2025, 9:11:04 AM