もしも君が、生き返るのなら
僕は、なんでも差し出す
この命さえも
※ ※ ※ ※
『ねえ、もしも…、わたしが生まれ変わったら
また恋人にしてくれる?』
そう言って、生気のない顔で力なく笑った君は
もう長くは生きられないと、医者から聞いたらしい
僕は、どんどん弱っていく君を
ただ見つめることしかできなった
君が苦しんでいるのに…、僕はなにもしてあげれれない
だんだんと…痩せていく、
歩くこともできない、
目を覚まさない日もあった
そのたびに、死んだんじゃないかって、怖くなって
素人から見ていても、彼女がもう長くはないことは
わかりきっていた
※ ※ ※ ※
彼女が死んだあとは…、よく覚えていない
お葬式の記憶さえも危うい
でも、棺桶に入っていた君の顔だけが鮮明に思い出せる
そのたびに、涙が溢れ、悲しみに暮れていた
もしも、また君が僕の隣で、笑ってくれるのなら
もしも、君とこれからも過ごすことを許させるのなら
いや、それは贅沢な願いだ
もしも、君がまた、
友人と笑い合って、家族と過ごせるときがくるのなら…
僕は、喜んでこの命さえも、差し出す
それは、ただの自己満足に過ぎないのだろうか
6/14/2025, 10:25:32 AM