今はもう遠い夕暮れ。
午後5時を伝える鐘の音が鳴り響くと、僕たちはそれぞれの帰途に着く。
途中まで帰り道が一緒。
ただそれだけのことが嬉しくて。
記憶の中の夕暮れはいつも秋。
金木犀の香りと鮮やかな夕焼け。
いつものやり取り「また明日」
その狭い世界が永遠に続くと信じて疑わなかったあの頃。
そんな昔日を懐かしみ、ふと思う。
「また明日」が「また明日」にならなくなったのはいつからか。
つい……そんなことを考えて、少し寂しい気持ちになる。
- また明日 -
5/22/2024, 3:51:43 PM