規則的な音と振動に体を揺られながら、車窓の外を眺める。
都会のびっしりと詰められたビルの大群から、
山の向こうの空が見える、緑の多い風景へと流れた景色は流れた。
向こうに残れば、きっと夢への一歩が大きくなる。
一歩進む為の材料や人望、知識は大量に溢れている。
でも、そこには重く太い鎖が絡み付いている。
一つ手にとれば、鎖は体に纏わりつく。
私は気がつけば、前へと進めず、重たい荷物を両手に抱えていた。
どこか遠い所へ。
心はそう叫び、その重荷を捨て列車へと乗り込んだ。
夢への道はまた遠くなる。
戻るには時間のかかる遠い街へと私は向かう。
それでも、諦めはしない。
永いこの人生のたった一瞬の事だ。
遠い街で、遠い夢へと歩みだそう。
2/28/2024, 1:55:35 PM