藤直

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目を閉じたまま隣にいる、君に話しかける
まぶたの裏が、きらきら燃えるように輝く

かさりと音がして
君が身動きしたように思え、ぼくは薄目をあけた
ひかりに目が慣れず、
まぶしくて君の影だけがゆらりと動いた

ぼくは、息をのんで
少しずつ、光に目をならす

ゆらゆらと空気がゆれ
またかさりと身動きの音

のんでいた息をはきだし
それは、ため息にかわった

君はもういない
そこには、風にゆれる長く真っ直ぐな青草

いつになったら
その空白に慣れるのだろう

くらくらと暗転する視界は
底から湧き上がる涙の味がした



♯大地に寝転び雲が流れる…目を閉じると浮かんできたのはどんなお話?

5/4/2023, 3:10:08 PM