転校してきたその時から、彼女の青空の瞳は僕の心を捉えて離さない。寝ても覚めても僕は彼女のことばかり考えている。
そして夏休み目前のある日、僕は勇気を出して彼女を遊びに誘った。ダメ元だったけど返事はまさかの「いいよ」。初めての放課後デートは浮足立って失敗ばかりだったけど、彼女は気にせずに僕と遊んでくれた。
海岸線に沈む夕日を見ながらふと彼女の方を見ると、彼女は僕のことをじっと見ていた。青空の瞳が夕焼けに赤く染まる様は本当に綺麗で感動的だった。
僕はとても幸せだけどわからないことがある。
――どうして僕なんかとデートしてくれたの?
「キミの目、澄んでて綺麗だから」
そう言って、彼女は儚げに微笑んだ。
完
お題:澄んだ瞳
7/31/2023, 3:02:47 AM