この場所で 伝えたい です。
この場所で
この場所でキミに出会えてなかったら
きっと、今の僕はなかった。
「はぁ、どうしよう」
屋上の手すりに寄りかかり、進路に迷っていた僕。
そんな僕の横にそっと立ち
「どうしたの?」
寄り添ってくれたのがキミだった。
「進路に迷ってるんだ」
誰かに聞いてもらおうなんて、思ってたわけじゃない。でも、優しく微笑むキミの、包んでくれそうな雰囲気に、自然と話し始めていた。
「叶えたい夢がある。けど、叶えるためには、家から遠い場所に行かなきゃならない。寮があるから入ろうとは思うけど、家族と離れるのは初めてだから、遠い地でやっていけるのか不安で」
一気に思っていることを話すと、キミは手すりを掴む僕の手の上に自分の手を重ね
「そっか。環境を変えるのは、勇気がいるよね。でも私は、叶えたい夢があって、叶えられる場所があるなら頑張ってほしい。って思う」
僕の目を真っ直ぐ見つめる。
「やる前から怖がって、挑戦しないのはもったいないよ。やってみてダメなら仕方ないけど、やらないで諦めるのはもったいない。けど、不安になる気持ちもわかる。だからね、淋しいと思ったら、いつでも私に連絡して。気がすむまで、話に付き合うから」
キミのその言葉に押され、僕は夢を叶える道に進んだ。そして、淋しくなってキミに連絡すると、嫌がることなく話を聞いてくれた。
そんな生活に慣れ、キミと連絡する回数が徐々に減り、今では連絡はしていない。
キミが今何をしているかわからなくなってしまったけど、夢を叶えられたら、真っ先にキミに伝えたいと思っている。
伝えたい
伝えたい。
溢れるくらいのキミへの想いを。
けど僕は、キミに憧れる男の中の1人。
そして、想いを伝えられない弱い奴。
キミに告白して、断られる場面を見るたび、僕にもチャンスが。って思ってしまうけど、僕も同じように断られるかもしれないと思うと、告白なんてできっこない。
でも、募った想いをそのままにするのは、苦しい心をさらに苦しくするだけ。
だからいつか伝えたい。
溢れるくらいのキミへの想いを。
2/13/2026, 9:53:29 AM