窓辺に座り、暗い空を見上げる。細い三日月が笑う星空は、どれだけ見ていても動く様子はない。凍てつき、時を止めてしまったかのような星々に誰かの背が重なって、眉を寄せ唇を噛み締めた。嫌なものを思い出した。視線を下ろし、暗いばかりの周囲を見つめる。星空以上に冷たさしか感じられない暗闇に重なる何かを振り切るように、音を立ててカーテンを閉めた。
12/3/2025, 9:42:50 AM