ブランコに座る
ゆらゆら揺れるその揺れを見る。
彼が歩いて隣に座る。
美しい瞳が光を受けて輝く。
「 ちゃんどうしたんだい?」
困ったような顔をしてこちらを見る彼の瞳。
ああなんて優しいんだろう、そしてなんて綺麗なんだろう。
「…うるさい!!!」
私はなぜ素直になれないんだろう。素直になれたら楽なのに。
彼はただ黙って寂しそうに笑う。涙が出てくる私の瞳にそっと手を伸ばして拭ってくれる。
ぽろぽろ、ぽろぽろ涙がこぼれる。
彼はそっと何も言わずに頭を撫でてくれる。
その優しさに甘えてしまう。全てを彼に委ねたくなってしまう。
でもきっとそれは許されないことなのだ。それだけはしていけないことなのだ。
自分に言い聞かせても、うまくいかない。涙はこぼれる。ブランコは揺れる。
彼はいつまでも美しいままだった。
2/1/2024, 12:49:39 PM