星のかけら
「これは、星のかけらだよ!」そう言って
やんちゃな近所のお兄ちゃんは僕につやつやに磨き抜かれたキラキラした丸い石を見せてくれた。
石は、最初 青みがかって見えた
けれど光の加減で赤みがかって見えるし
黄色味を帯びている様にも見えた。
あの時 お兄ちゃんが掌の上で見せてくれたキラキラした石が本当に星のかけらだったのかは、分からない....
けれど体が弱くいつもベットの上で窓から
外の景色を見て憧れを募らせていた僕に
対してのお兄ちゃんなりの優しさだったのかもしれない
それでも僕は、あの時お兄ちゃんの手の中で輝いていた石が 僕が憧れた景色の全てだと確信出来る程 あの日の光景は僕の
胸に焼き付いて離れない....
それにお兄ちゃんなら夜空から本当に星を
取ってきても あり得る事だと思えてしまう
だってあの時 僕に手を広げたお兄ちゃんの笑顔は、星空の様に輝いて とても
誇らしく見えたから 僕は、お兄ちゃんの
その笑顔を誰かに自慢したいと心の中で
強く思えたのだった....。
1/9/2025, 10:34:32 AM