吐く息が白いくらい寒い朝だった。
帰り道、アスファルトの隅に白くて小さく、ふわふわとした塊が蹲っているのを見つけた。
自分の吐いた息が固まったのかと思ったけど、近づいてみると猫だとわかる。小さな小さな子猫。
弱っていて自分じゃ何にも出来ない。寒さを凌ぐ為に端に寄ったばっかりに誰にも見つけて貰えない。そんなの、まるで私みたいじゃないか。違うのは、この子には私よりも選択肢が極端に少ない事。
この幼さはまだ生まれたばっかりだろうに。どうして弱い者は世界に見放されなければいけないのか。そんなの絶対におかしい。
そう思った時にはもう子猫を抱えて走っていた。大事に大事に、冷えても熱を発する塊を、ふわふわで心地良いこの子を、ぎゅっと抱き締めて。
『子猫』
11/16/2024, 6:29:49 AM