三三三

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手が触れる。
「……?」
「あ、悪い」
そう言って彼は腕を引いた。
公園のベンチで休憩をとっている最中、思いの外話が盛り上がった。
気づくと私たちの距離は近づきすぎていて、その結果、彼の手が私の手に触れた。
「ふふっ」
「なに笑ってるんだよ」
不思議そうに彼が問いかける。
「いや、縮まったなぁって」
「なにが」
「私たちのパーソナルスペース。出会ったころは二人ともこんなに近くなかったから」
「そういえば、そうかもな」
「……ありがとうね」
彼に聞こえないくらい小さく小さく呟いた。

こんなに誰かと触れ合えるなんて思いもしなかった。
キミもそう思ってくれてたらいいな。
心の中でそう祈った。

3/31/2024, 9:22:12 AM