複雑怪奇の羅針盤

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 寒い、凍えるほどの冷たい風が肌を突き刺さる。家もない、お金もない。あるのは、拾ってきた段ボールと、ゴミ箱から漁った、賞味期限切れの弁当だけ。

 俺は、選択を間違えたのだ。別にお金が無かったわけでわない。むしろ、一般家庭の平均貯金額よりは、持っていたはうだ。ただ、欲をかいて、もっとお金が欲しいと思ってしまた。それが、地獄への切符を買うことになるきっかけになってしまう。

 もし、もう一つの物語があったなら幸せに成れたのかな。こんな、惨めな思いしなくて済んだのかな。今更、遅い後悔を抱き、役目を終えた馬券を握り閉める。

10/29/2024, 1:57:56 PM