案山子のあぶく

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◎神様が舞い降りてきて、こう言った



神様が舞い降りてきて、こう言った。

『よいですか。貴方は今から天に登らないといけません』
「なぜでしょうか」

何か悪いことをしてしまったのでしょうかと聞くと、神様は微笑んだ。

『貴方の身体はとうに朽ちてしまっているからです』

よく見なさいと言われ、じっと指先を見つめる。
指先はほんのり透けていた。

「あぁ、私は死んでしまっているのですね」

神様の腕に包まれて一人の魂が浄化されていった。




これは誰にも知られることのない
”死神の”日常である。

7/28/2024, 9:58:32 AM