せつか

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勝手に関係あるとか繋がってるとか言われても困る。
私と隣の子がどれだけ離れていると思ってるんだ。
あなた達だってそうでしょう。山を一つ越えた家を「お隣さん」とは言わないでしょう。
私達は山一つどころじゃないんだけれど。
そもそも隣のあの子とは、互いに姿は見えていても近付けないし、あの子が本当はどんな姿かなんて知りようもない。
でも私達は「星座」という一括りの仲間にされてる。
あなた達の目に、一つの生き物として、一つの物語の構成要素として見えているのだろう。
それはとても不思議な感覚。
触れ合えないほど遠くにあるのに、あなた達の歴史より遥かに長い時の隔たりがあるのに、あの子と私は一つのものを形作っている。

困るというのは迷惑だという意味じゃなくて、どう反応したらいいか分からないから。

あなた達が私達を見上げるたび、物語を見出して、喜んだり悲しんだり。
それがなんだか、面映ゆい。
私はあなた達を見下ろしながら、一瞬の生を懸命に生きる弱くて脆いあなた達に、永遠を見る。

END


「星空」

7/6/2024, 12:27:12 AM