言葉はいらない、ただ・・・。
私とこの綺麗な夜の月を一緒に眺めて、
布団に入って何気ないことを思い出して、
忘れられないくらい、愛し合って、
この病気も忘れるくらい、
最高な一日を過ごさせて。
悲しい事を考えていそうな顔をしながら
不安そうな気配も出していることにも
気付かずに、私は知らない顔をしながら
今夜の月を眺めて言葉なんてなくても、
私達との縁は忘れずに、
愛おしい顔を撫でながら布団に入り、
最後の夜を過ごした。
彼女の呪いは、忘却症と楽園症に掛かっている。
忘却症は記憶が消えてなくなり、
誰も彼も忘れてしまう。
楽園症は、この世界に居ると稀にかかる病気だ。
主に、人間以上の力を常に使っていたせいだろう
私は隣に居るのに、かからなかった。
魔女になっていたから。
でも、怒られやしなかった。
一応、許可は取っていたから。
楽園症にかかると力も出せず、
一般的な人になり、現世、いや、
そっちの世界にしか居られなくなる。
だから、最後なんだ。
ありがとう、愛おしい人よ。
さようなら、もう会えないけど、見ているね。
ごめんなさい、愛おしい人よ。
いってきます、もうこっちには居られないけど
いつも考えているからね。
だから、泣かないで。
私はいつも、側に居て守るからね。
皆には迷惑かけるかもしれないけどよろしくね。
また、この場所で会いましょう。
8/29/2024, 1:01:04 PM