猫背の犬

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たれがれに染まる街を見つめて、もう帰れないあの頃を恋しく思う。陽が沈むまで手を繋いでいたあの子は今、深い海の底で眠っているって誰かが言っていた。僕は相変わらずここで生きているけど、息苦しくて堪らないや。助けてとか誰にも届かない嘆きは、ぬるい缶コーヒーで安直に流し込む。僕は、きっと明日も同じように過ごすんだろうなあ。涙が零れてくるけど、どうしてか温度はない。それどころかとても冷たい。ひょっとしたらさっき流し込んだ缶コーヒーの方がぬくいかもしれない。あーあ、ちゃんとした「人」で居たかった。きっと叶わないことだろうけど、今夜もしも星が流れたら、願ってみようかな。

10/1/2024, 3:25:40 PM