途中から脱線マン

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小さい時は、一人でもなんとも思わなかった。
それが、小学三年生になったあたりで、駄目になった。
一人になった途端、なんとも表現し難い嫌な感覚がして、叫びたくなる。
怖くて親を呼ぼうとした時、出てきた音は思っていたよりも遥かに小さく、上擦っていたし、言葉としは出てこなかった。
この事を人に言えば、厨二病だと言われてしまい、それからはもう誰にも話していなかった。
なるべく一人にならないよう、工夫し過ごしていた。
それが今、不幸な事に一人になってしまっている。
周りは誰もいない。人だけでない。生き物の気配一つしない。
胸の辺りに何か、そう、きっと恐怖そのものが詰まってしまったみたいで、怖くて、怖くて仕方がなかった。
段々と息をするのが難しくなって、短く浅い呼吸を繰り返す。
誰かを呼ぼうとして、昔言われた言葉を思い出した。
厨二病、かまってちゃん、イタイ奴、迷惑の素。
きっと、きっと周りがそう言うのだから、呼ばずに収まるのを待とう。
そう思い、その場でうずくまった。






まだ、まだ誰もいない。
怖いままだ。

12/19/2023, 10:17:31 AM