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『旅路の果てに』

銀河鉄道の終着駅は、拍子抜けするほど静かな砂漠だった。

​「ここが、終点?」

私が問うと、車掌は無言で古びた切符を回収した。
足元に広がるのは、星屑が打ち寄せられたような銀色の砂だ。
空には赤くて大きな恒星がふたつ。

これまで数多の星を巡り、石嵐の都も雲の上の遺跡も見てきた。
テクノロジーが発達し、すべてが1と0で構築された場所も。

その旅路の果てが、この何もない場所なのか。

​その場にしゃがんで、小さな光の粒を手で掬った。
サラサラサラサラ。

​幼い頃の草の匂い、誰かに言えなかった謝罪の言葉、異国の空の下で食べたパンの味。
不思議といろんなことが取り留めもなく思い出された。

果てというのは、終点でもあり起点でもある。
ここからまた旅に出るのもいいかもしれない。​
さて、次はどこへ行こう。

2/1/2026, 8:01:22 AM