かたいなか

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「この1年で変わったことと言えば、アプリの『♥』に対する価値観よな」
最初は1投稿に1個来るだけで舞い上がってたわ。某所在住物書きは1年を振り返って、ぽつり。
「1投稿に1反応で嬉しかったのが、段々3個欲しくなって、5個来なけりゃ不安になって。それが『自分の好きなように書けばそれで良いや』になるまで、10ヶ月かかったわ」
ところで約1年間、ずっと思ってきたけど、広告スキップオプションはいつ実装されるの?
物書きはポテチをかじりながら、アプリ内の成人向け広告がただ煩わしいので――

――――――

今年も残り数時間。
今回のお題が「1年を振り返る」でしたので、
今年3月1日から始まったこの現代軸連載風アカウント、305日のダイジェストでも、
振り返って、ご覧に入れたいと思います。

3月、2022年度末の東京某所、某アパートの一室に、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者がぼっちで住んでおりまして、
このぼっちには、職場の後輩がおりました。
後輩に、「遠くの街へ」のお題にのっとって、自分の故郷、雪国の田舎のハナシをするところから、連載投稿は始まりました。
『私の故郷はね。雪が酷くて、4月直前にならなければ、クロッカスも咲かなくて』
『いつか、おいでよ。遠い、何も無い、花と山野草ばかりの街だけど』

その後3月3日「ひなまつり」のお題で、
何がどうトチ狂いましたか、ぼっちのアパートに不思議なお餅を売る子狐が押しかけまして。
『このゴジセーなの、誰もドア開てくれないし、おもち買ってくれないの』
『1個でもいいから、おねがい、おねがい』
ここから妙な子狐とぼっちの交流が、300日にわたって、ゆるゆる、始まってしまうのです。

4月、2023年度が始まりまして、それから7月あたりまで、例のぼっちと後輩のタッグは、職場の上司が持ってくる困難に立ち向かっておりました。
というのも、このふたりの職場、ブラックに限りなく近いグレー企業だったのです!
オツボネ係長が仕事のチェックを怠って、その結果出てきたミスを後輩に全部押し付けたり、
ゴマスリ係長が課長にゴマスリばっかりして、自分の仕事を全部ぼっちに押し付けて、その結果ぼっちが体調不良を起こしたり。
まぁまぁ、いろいろありましたが、ぼっちとその後輩は、ふたりして全部乗り越えてきたのです。

7月。「私だけ」→「視線の先には」→「私の名前」の連続したお題で、物語が動きます。
なんと、人間嫌いで寂しがり屋なぼっちに、「私の名前」のお題がくっついて、旧姓旧名持ちの設定が爆誕したのです!
未婚のぼっちが旧姓持ち。随分ぶっ飛んでますが気にしない。だいたいお題の影響です。
『ブシヤマさん!ブシヤマさんでしょ?!』
ある日ぼっちは道端で、旧姓で呼び止められまして、それに驚いたのがぼっちと一緒に歩いていた後輩。
『人違いだよ、先輩ブシヤマじゃないもん』
ぼっちは名前を、藤森といいました。
悪しき理想押しつけ厨、藤森の心をズッタズタに壊した元恋人、加元から逃げるために、名前を「附子山」から「藤森」に8年前、変えておったのです。

8月と9月は、ぼっちの名前がようやく「藤森」と判明して、元恋人の加元から逃げる期間となりました。
藤森の現住所を特定したくて、一時期加元が探偵を雇ったり、藤森が住所特定を警戒して、親友の宇曽野という既婚な親友の一軒家に転がり込んだり、
その一軒家に転がり込んだのを、例の餅売り子狐が、「お得意様が家を持った」と勘違いして新築祝いしたり、新婚旅行のパンフレットを持ってきたり。
なんやかんやありまして、藤森と元恋人の恋愛トラブルは、11月に決着を迎えるのです。

『あなたと、ヨリを戻す気は無い』
7月からの不穏を終わらせたお題は「また会いましょう」でした。
『それでも私と話をしたいなら、どうぞ。恋人でも友達でもなく、「附子山」でもなく、 赤の他人として、いつか、どこかで。また会いましょう』
10月頃、元恋人から逃げるために、夜逃げの準備までしていたぼっち。もとい藤森。
後輩の説得で、逃げるのではなく、はっきりバッサリ……とはいきませんでしたが、
元恋人をフッて、縁をようやく断ち切ったのでした。

そんなこんなで、約10ヶ月が過ぎまして、
投稿した文章は300以上、消えていったキャラクターも数知れず。
6月27日投稿分にポンと出てきて、それから8月13日の「君の奏でる音楽」だの9月15日の「命が燃え尽きるまで」だのにリピート出演してたウサギ、今頃どうしてるんでしょうね。忘れられていますね。

物語の区切りになるであろう2月末まで、約2ヶ月。
ざっと1年を振り返って思うのは、
このアプリ、1年前を振り返るには、バチクソにスワイプしなきゃいけないから、クッソ面倒というハナシでした。
しゃーない、しゃーない。

12/31/2023, 2:55:51 AM