あかいろ

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食べるたべるタベルtaberuたべることが苦手
それは食べられないんでも、好き嫌いが多いわけじゃない。
お腹いっぱいでも食べることをやめられない。笑い話されるのか、鼻で笑われ終わるのか。
普通に食べられない。不安だった。食べることは生きること。中学の頃、大きな病院の管理栄養士が言った。白い肌で消毒と洗剤の匂いで包まれていそうな、その人は、私が必死に隠す過食を、見て見ぬふりした。憎くて醜くて、だいっきらいな食べ物をコンビニのゴミ箱に捨てた。罪悪感で溺れた。入院中に食べたお米は一粒も残さなかった。空っぽのお椀をみるたび、二度と残さないと誓った。食べなさいと怒られた日、ゴツゴツした自分の骨が皮を突き抜けそうだった。気温16度で凍え死にそうになった。ルッキズムのせい?ママとパパの喧嘩のせい?パパのモラハラのせい?お姉ちゃんの圧力のせい?あの子のマウントのせい?…やっぱり私のせい?
怖かったです。心臓がバクバクして、冷や汗をかく。目の前にあると恐怖でした。飛びつく獣を必死に抑えているように血走った目でした。そのうち涙がこぼれだします。血さえ流れ出ました。なにもできませんでした。簡単な計算や時間感覚がつかめませんでした。アリさんが角砂糖に群がるように、私の脳みそは糖分を必要としましたが、無視しました。常にインフルエンザにかかったような気だるさの中、のこぎりで木の板を切ろうとしたとき、親指が切れた。一瞬で指の感覚はなくなりました。血が止まらなかったけど、病院に行ったらまずい。前に肩こりで内科に行ったら、心配されて困った。
助けを求めて、とうとう知らない病院へ行ったとき、冷たいシルバーの眼鏡をかけたおじさん先生が、食べればいいと行った。寒かった。ずっと寒かった。真新しい綺麗な内科だった。生まれたての赤ちゃんが泣いてあやされていた。静かで私とママと赤ちゃんと赤ちゃんのまま。受付のお姉さんたちだけが薄暗いそこにいた。
怖かった。怖かった。寒かった寒かった。もう疲れてしまった。その冬からちょうど3年たった今年の冬。あの年は病院でおせちを食べた。今はもう、考えることが怖い。食べることも食べないことも怖い。自分で決めて、自分で生きることが怖くなった。怖いことだらけだった。今まで、ママとパパの争う音と怒鳴り声と叫び声。
布団の中で神様に言った。
私の頭痛が一生治らなくてもいいからママとパパが仲直りしますように。
神様どうかママをお守りください。って。
なんで、かな。どうしてかな。怖かったんだよ。悲しかったんだよ。わがままで意地悪な私は自分にも周りにも疲れたよ。
でもまだ大丈夫だよ。

12/15/2025, 12:04:21 PM