小絲さなこ

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「印」


真っ白な君に印をつけていく。
君には見えないように、君以外の人には見えるように。
人を疑うことを知らない君は、気がつかないだろう。

どんなに印をつけても、君はずっと真っ白なまま。
それが愛しくもあり、悔しくもある。
どんな色にも染まるはずなのに、どの色にも染まることがない。
それが眩しくて、遠く感じてしまう。

真っ白な君に印をつける。
そんなことしなくても、君は隣にいてくれるはずなのに。



────無垢

5/31/2024, 3:13:43 PM