récit

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夏休みの宿題に関して言えば、僕は何一つ手を付けていなかった。気づけば、二学期の始業式まで、あと三日もない。宿題をやっていないという事実は、まさに完璧だった。それでも、やる気はわかず、そのまま寝てしまったほうが良さそうだと考えていた。だって、その宿題は頼んでもいないのに与えられたものだから。宿題をやらなかったところで、何が変わるというのだろう。

驚くべきことに、その晩ベッドで目を閉じると、僕のパジャマを着た熊が僕の横でスヤスヤと眠っているのを発見した。ちょっと動揺したが、すぐに考えが浮かんだ。このパジャマを身にまとった熊が、僕の代わりに学校に行ってくれないかなと。そう思った僕は、家出の計画を立てることにした。コーヒーを飲んで、頭をシャキッとさせて準備を整えた。その日の昼に公園で拾ったドングリを、熊の額の上に乗せて、さあ出発だ。

そして朝が来ると、僕は自分のベッドで目を覚ました。熊の姿はどこにもなく、すべてが夢だったのだろうか。しかし、パジャマはきちんとたたまれ、そこには下手くそな字で書かれた手紙が残されていた。

「パジャマありがとう。森に帰ってドングリ栽培をするつもりだよ。君もこれからでも宿題頑張って」

9/26/2025, 11:57:05 PM