——好きなんです。
届かないとわかっているからこそ独りごちた言葉は、一体どこへ運ばれていくのだろう。
目指す道にこの思いは邪魔だから封じたのに。なのに溢れそうになったものは、音にならない言葉となって虚空へと消えていく。
伝えたくない。困らせたくもない。しかし抱えきれない。いっそ捨ててしまえたらよいのに。
そうどんなに願っても思いが絶えることはなく。体の芯の方で確かに何かが燻っている。
——好きでした。
だから私は胸の内で叫ぶ。あなたに届かぬようにと、祈るような気持ちで叫ぶ。いつか耐えきれずにこぼすことがないように。今日も必死に、愚かに。
いつかこの気持ちが消えてなくなるまで。
4/15/2023, 12:35:45 PM