久しぶりに見たいと思って、今日はちょっと遠出のデート。
結構前に見つけた森の中に小さなチャペルがあるんだ。
車を降りて、ゆっくり歩き出す。
「わっと」
彼女がなにかにつまずいて転びそうになったから、彼女の身体をつかまえて支える。
「あぶなかったね」
「はい!」
俺は彼女の手をとってチャペルに足を向けた。
木々の間からこぼれ落ちる光と影が、まだら模様を作っている中、俺たちはそこを歩いていく。
木漏れ日の跡にふたつの影を増やしながら。
おわり
五四八、木漏れ日の跡
11/15/2025, 2:28:11 PM